ミヤザキの素材アドバイザー

素材選びのポイントを教えてください

まずポイントとなるのが、「製品をどんなところに使用するのか?」ということです。
例えば、装置の部品として使用するのか。それとも屋外等で使用したりなど、様々な条件が必要となり、用途によって材質も変わります。

次の5点についてお伺いできる範囲でお聞かせいただくことで、より最適な素材をご案内することができるようになります。

素材選び 5つのポイント
  1. 設置場所の温度は?
  2. 強度は必要か?
  3. 透明度は必要か?
  4. 薬液に触れる箇所で使用するのか?
  5. コストを重視するのか?

素材選びで困ったことはありますか?

はい。あります。
規格サイズが無いものが欲しいと言われた時ですね。 例えば、「耐熱性が(200℃)以上あり、薬液に強くて透明な部品を作りたい」というご要望です。現状このような素材がありませんので、その時には困りました。

また、使用用途を教えて頂けない時もこまります。 プラスチックは形状が常に同じという素材ではありません。 製品ができた後、どのような用途や環境で使用されるか?が製品の持ちを長くします。

お客様から何を求められますか?

特にご要望が多いのは「短納期対応」です。
「今日納品して欲しい」「明日の朝までに納品してほしい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
ほかには「値段を安くしてほしい」「図面は無いが、現物を見て同じものを納品してほしい」「もっと精度が高い(1/100mm)加工はできませんか?」と問い合わせいただくこともあり、できる限りお客様のご意向に沿えるよう頑張って対応させていただいています。

よく相談を受けることを教えてください。

特に納期のご相談が多いように感じます。
「どうしても〇日までに納品してもらいたい部品があって、他社に依頼したところ納期的に対応ができないと断られたのですが、御社で対応はできませんか?」など、よくご相談いただきます。中には、「まさに今、部品のサイズが合わなくて困っているのですぐに製作してほしい」という方も。
大変お困りのようですので、いつもできるかぎり全力で対応させていただいています。
また、「部品を作りたいけど、材質をどうしたらいいかがわからないので、教えてほしい」という方もいらっしゃいます。

コストを下げるポイントはありますか?

いろいろと手法はありますが、ポイントは「使用用途」「精度」「形状」の3点です。
使用用途がわかれば、その用途に合わせた安価な材料のご提案ができますし、あえて精度が必要ない所は寸法公差を無くします。
時には形状を変更することで、費用を抑えられることもあります。
特にポイントとなる使用用途について詳細をお伺いできれば、いろいろなアドバイスをすることができますので、お応え出来る範囲で教えていただければと思います。

素材アドバイザーはお客様と技術者を結ぶ架け橋だと思いますが、どんなことに気をつけていますか?

ここまで何度も申し上げましたが、やはり使用用途ですね。

  • 製作後の部品をどのようなところに使用するのか?
  • 使用する際の耐熱温度はどのぐらい必要か?
  • 透明度が必要か?
  • 薬液を使用するのか?
  • 精度はどの位まで必要なのか。

初めに上記の点をお伺いすることが第一歩だと思っています。

実際に経験した事例を教えてください(印象に残っている事例)
事例01 透明度が必要で、温度は常温。出来るだけ安くしたい。
最初は、切削加工の予定でしたが、使用用途を確認すると、さほど精度は必要なくそれよりも出来るだけ安くしたいとのことで、切削加工と溶着加工の両方で対応し、しかも透明度を重視して製作しました。
納品後、お客様から「仕上がりも良く、何よりも親切に相談にのっていただいたので、今後とも色々とお願いしたい」とお褒めの言葉をいただいた時には、やりがいを感じました。
事例02 耐熱温度200℃以上、色は問わないが、精度が必要。
耐熱温度、200℃以上に対応できる材質は色々有りますが、加工精度が必要となるとテフロンは不可の為、PEEK材かPPS材、価格的に安価なPPSをおすすめしたところ、お客様も納得されました。
加工後、製品と測定データーを添付して納品。
その後、お客様から「加工精度も問題なく大満足です。やっぱり御社にお願いして良かった」と言われた時には、お客様のお役に立つことの大切さを実感しました。
事例03 仕事の意味
以前、富山県のある養護学校の先生から、生まれつき寝たきりの中学2年生の男の子が、本を読むのが大好きでどうしても楽に読める棚を作成してほしいと相談がありました。
詳しくお聞きすると現在、先生方が交代で読み安いように手にもって一枚一枚ページをめくりながら対応しているようで、非常に疲れる。もっと楽に、しかもある程度しっかりした棚が欲しいとのことで、色々とアドバイスをさせて頂き、実際にご注文を頂きました。
早速、製作に入り納品後、男の子から「立派な棚を作って下さりありがとうございます。これからも本を読むのがとても楽しみです。また、生きる希望が湧いてきました」と手紙をいただきました。
私も今まで色々な仕事をしてきましたが、人のお役に立つことの大切さと同時に、中学2年生の男の子に仕事の意味を教えて貰いました。
これからも男の子に負けないように精一杯頑張っていきます。

中学2年生の男の子から嬉しいお手紙が届きました

これから新しい製品をつくられる
お客様へ一言アドバイスをお願いします。

同じような部品を製作する場合にも、使用用途や目的が違う場合には素材を変えたほうが良いこともあります。
使用目的をお話できる範囲でお伝えいただく事で、できるだけ費用を抑え、また、目的に合った素材をご提案させていただきます。
部品や製品作りの第一歩は素材選びです。
素材次第でその製作した部品が長く使えるものか、一瞬で使えなくなってしまうものかが変わってきます。
少しでも疑問や不安な点があれば、お気軽に私たち素材アドバイザーまでお問い合せいただければと思います。